院長コラム
吹田市医師会85周年記念誌投稿 三人寄れば文殊の知恵 〇円安で海外旅行を控え国内旅行の機会が増えた。時々連休を使って日本の温泉地、観光地を旅行している。それにしても地図を広げれば行ったことがない知らない土地が無数に存在していることに茫然とする。去年千葉県佐原で一泊し香取神宮、鹿島神宮に詣でた。佐原は伊能忠敬の生誕地である。日本全国を回り大日本沿海輿地全図を作成した伊能忠敬ならば日本を知っていると自慢されても反論は出来ない。 〇最近吹田市医師会のウェブ講演をなるべく聴講するようにしている。他科の最新の医学情報に触れて改めて自身の医学的知識の乏しさを再認識している。どう頑張ってもすべてを知る事などはできないのだが、それにしても自らの医師の知的レベルは本当にお粗末である。 〇50年ぶりに中央公論社:世界の歴史17巻を読み直した。頭には何も残っておらず知らないことだらけである。 〇そもそも、わずかな知識・ 情報しかない者が正しく判断できるはずはない。難しい資格、高い役職、世界的賞を持っていてもその人物の知識には限界がある。すべてを理解していると振る舞うのは傲慢で恥ずかしいことだ。 〇知識情報の乏しい個人が物事の正しさを判断することは本来無理なことである。そうと分かっていてもなかなか謙虚に慣れない。 〇「3人寄れば文殊の知恵」ということわざがある。自分は正しいとは思わず他の意見に耳を傾ける心の広さが必要であろう 〇残された時間はそう長くはないので、できるだけ旅行に出、本を読み情報を集めて正しい判断に至るように努力を続けたいと思っている。8月も終わりに近付き、夏休みの宿題を残して焦っている小学生の気分である。 |