院長コラム
原油は自然と対極にある有害物か? 黒いドロドロした形状、つんと鼻を衝く異臭を嗅げば原油は自然界の対極にある有害物だと確信してしまう。海洋に流れれば自然が致命的に破壊されると心配する。古くは日本海でのソ連ナホトカ号タンカー座礁で福井県沿岸の原油汚染、メキシコ湾石油施設の事故での大量流出、最近ではインド洋モーリシャス沖でのタンカー座礁など多くの原油流出事故が報じられた。ところが、一時的な環境汚染が存在するが致命的なものになっていない。事故後暫くすると報道もされない。原発事故の放射線物資環境汚染と全く様相が異なる。 なぜか? 原油は自然界が作ったもの、太古の地球に存在していた動植物の死骸であり、放射線物質は自然界に本来存在しない物質であるからだ。自然界が作ったものは自然界が処理できるが放射性物質は半減期が厳然と存在し生物の手は及ばない。原油には微生物が集まり分解しエネルギーを獲得しCO2にして大気にリサイクルしてくれるからである。 見かけは悪いが害がないもの、見かけは分からず気付かないが甚大な害をもたらすものがある。 外見だけで判断することは間違いである。よく本質を捕まえなければならない。 |