院長コラム
オームの法則 理科で習った電気の法則です。電圧=抵抗×電流 の簡単な式です。同じ電圧では抵抗が大きくなると電流がその分減少します。抵抗が少ないと多くの電流が流れます。電流を同じにするには抵抗が増えると電圧を高くする必要があります。 電流を私たちの体に流れる血流に置き換えて考えることができます。高齢になると血管壁の変性で狭く硬くなり抵抗が増加します。若い人より血管抵抗が大きいので血圧を高めて血流を同じにしようと体は対応します。高齢者で血圧が上昇するのは合目的ですが若い人と同じ血流を求めて高齢者で際限なく血圧をあげられません。心臓、血管、腎臓などに害を及ぼすからです。体が求めるままの血圧ではなく次善の最適血圧を維持することが大切になります。血圧を下げれば下げるほど良いのではありません。電圧を下げれば抵抗の大きい電線の高齢者の家では電流が減少し冷暖房が効かない電灯は暗いなどのトラブルになります。 海外の論文で「高齢者でも血圧を下げれば下げるほど良い」との記述があります。ただし「循環器系の疾患に対しては」という狭い範囲での話です。電圧を下げれば下げるほど良いのは心臓たるポンプ、血管に当たる電線などのトラブルに対してですが電流低下に伴う冷暖房が効かないで風邪をひく、パソコンが動かない、暗い部屋で物が見えない等の悪影響を度外視しているので注意が必要です。 |