院長コラム
本当に省エネ? 十年ほど前であったか? 新幹線の車内に「新幹線は省エネです」というポスターが貼ってあった 。本当かな ? 確かに新幹線が走行する際のエネルギーは一人当たりの移動距離において飛行機や 自動車に比べて使用量は少ないかもしれない 。しかし 、走行時のみを比較するのではなく建設までのコストを考えれば 少し結論が異なるのではないだろうか 。 新幹線のレール、トンネル、 駅などの多くの設備には莫大な製造維持コストがかかっている 。それに比べて飛行機は出発と到着の空港設備のみで済む 。それらのコストも考えると新幹線と飛行機では新幹線が単純に省エネとは言えないかもしれない 。 原子力発電も同様だ。 核分裂のエネルギーで発電する時は省エネではあるが、設備建築までの莫大な投資、廃棄物の処理コスト、事故になった時の対策費用などを含めて考えれば、省エネという旗印も褪せてしまう 。 いつも、どの範囲まで含めて検討するかが大切である 。目先の狭い範囲での判断では失敗することになろう 。 |