三峡ダム
支那大陸南部の記録的豪雨で湖北省宜昌市にある三峡ダムの決壊危機が噂されている。三峡ダムは長江の治水、発電が大きな目的であるが、手抜き工事でダムの変形が(Google mapから)生じているとネット上で論じられている。また廃棄物がダムに蓄積し水深が浅くなり「大きな肥溜め」だとも言われている。
中国でのダムの決壊と言えば先の大戦中「黄河決壊事件」があった。日中戦争初期昭和13年6月に、中国国民党軍が日本軍の進軍を食い止めるため堤防を破壊し水死者100万人、被害者600万人に達した。(諸説あり)
ダム、堤防の決壊は大きな犠牲者が出る。三峡ダムの決壊となればどれほどの被害が出るか想像できない。軍事上では三峡ダムを中距離ミサイルで破壊する作戦は当然存在する。上海まで至る長江周辺の無垢な民間人を大量虐殺する行為は自重されようが、米軍による我が国への都市無差別爆撃、広島・長崎での原爆投下による民間人大量殺りくが行われたことを考えると、皆無とは言えない作戦だろう。
我々素人は川に「水が流れている」と考える。実際は、水と同時に「土砂も流れている」のである。長い年月をかけ、その土砂で関東平野、濃尾平野、大阪平野が生まれたのだから当然分かることである。三峡ダムの水深低下、肥溜め化や、堤防内の土砂蓄積で周囲より川底が高くなった天井川の出現はサル知恵の結果であろう。浚渫には莫大なコストを要するのだ。
何事も先々の危険性を十分に吟味した計画を立てなければならないのである。三峡ダムの教訓を他山の石としなければならない。