奉献文
各務文献(かがみぶんけん)先生が亡くなられて200年になります。生命を得た時代が異なり直接お会いしお話を伺うことは叶いませんが、先生の遺徳に敬服する者が本日
ここに集いました。改めて先生の偉大さに一同感激致しております。
科学技術が現代より未発達で、電気、電子機器もなく情報も乏しい江戸時代後期に先生が医学の各分野にかくも偉大な足跡を遺されたことは驚嘆の極みであります。とかく現代人の我々は先人よりも進歩していると錯覚し傲慢になります。幾多の困難を乗り越え真理を追究する先生の医科学者としての情熱、取り組む姿勢、患者を救いたいという慈愛の心は現代の我々をはるかに凌ぐものであります。真の医科学者の姿であります。自らの利益ではなく医学の進歩に身を投じられた先生と比べれば、科学技術が進歩し恵まれた環境にいる現代人の我々に先生の如き実証精神や独創性があるのか甚だ疑問と言わざるを得ません。 文明の進歩に逆行し精神性の衰退が危惧されます。自らの未熟、不徳を深く自覚しなければなりません。
有史以来、先人の偉業は雨粒のように夥しく存在しますが、「我々はすべての雨粒に触れることは出来ず忘れ去っている」という誤謬に向き合い真摯に反省しなければなりません。
本日、多くの方々からのご支援を得て各務文献先生の偉業を顕彰する記念碑を建立し各務文献先生の200回忌の法要を営むことが出来ました。ご協力いただきました方々に心より御礼を申し上げます。更に各務文献先生の業績,遺徳を子々孫々継承する決意を新たに出来ましたことは誠に幸甚であります。先生には、これからも天上から我々を常に叱咤激励していただきたいと思います。
また、各務文献先生が整形外科医の先達として存在され、あまたの業績、人徳を我々に伝授されたことに深い感謝の念を抱きます。各務文献先生に衷心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。
各務文献 （かがみぶんけん）
1755－1819 江戸時代後期の医師。初め古医方を学び，産科，外科を修めた．産科においては八種の救産具を考案するなど，生来の凝り性と器用ぶりを発揮した．骨関節機構の研究開発を行うことこそ自分の使命と考えた．文化7年(1810)「整骨新書」を刊行し,画期的な骨格解剖図「各骨真形図」をそれに付した。文政2年木製の等身大人体骨格模型をつくらせて幕府医学館に納めた。（ネット上資料より）
http://souryuanzuisou.blog.fc2.com/blog-entry-1145.html
