院長コラム
大阪マラソンはほんまにええもんや!
平成28年10月30日、第6回大阪マラソンが開催された。出走者は32313人で完走者は29680人に上った。過去、寒さに震えた年、暑さに苦しめられ、雨に襲われた年もあったが、今年は快晴に恵まれ暑さも予想を下回りマラソンの好条件であった。スタート地点には有名招待選手、タレントに混じり山中伸弥先生が今年もおられた。 忙しい研究生活の中でマラソンランナーの体型に絞り上げられている姿が印象的であった。 6年間多くのランナーを見ているがみな本当に幸せな明るい顔をしている。いろんな扮装に工夫を凝らす者もいる。どこにも悲しみにくれる鬱の人はいない。マラソンは皆を明るく奮い立たせるようだ。後半には苦しい表情のランナーが増えるが悲観的な気持ちにならない。 全ての者が目標に向かい頑張っているその証だからか?陣痛に苦しむ妊婦の表情の下には、我が子に出会える大きな希望、喜びが潜んでいることと同じ感情か?そんなランナー達に出会うと思わずがんばれと叫びたくなる。沿道の人々がランナーと一体となるのも自然である。 ランナー同士もお互いが見えない糸で結ばれている。前へ前へと糸に引き寄せられるように脚を運ぶことになるのであろう。苦しさを周りのランナーが癒してくれるのか?最後まで自分の限界に挑戦する姿、頑張っている姿に感動する。 同時に、無償奉仕の尊い姿、手を振り拍手する道端の応援、自転車運搬介助、道路交通整理、ダンス音楽などのパーフォーマンス等々周囲の人々の美しさにも圧倒される。 一定の率で死亡事故が起こると言われているマラソンだが幸い今年度まで6年間重大事故は生じていない。救護所を中心とした大阪府医師会主導の安全対策が大きな寄与を果たしていると言える。その一翼として、我々OCOAが運動器疾患の専門家として出務する機会を与えてもらっていることは光栄であり、かつその責任は重い。スポーツの分野で整形外科医師が果たす役割の大切さを我々は改めて自覚しなければならない。各救護所に総数50名の整形外科医を毎年配置しているが当初は専門外の患者、想定外の事態に心配をしていた。年々経験を積み自信を深めるようになった。診療所に籠っては知りえない他科医師、看護師、トレーナーなど他職種との連携が我々整形外科医の視野を広げることに貢献していると感じている。貴重な財産である。 また、海外からの参加者も増加しているようである。大阪、日本の素晴らしさをマラソンを通じ理解してもらいたいと思う。「和を以て貴しとなす」が示す聖徳太子の精神があらゆる分野で発揮されていた。 これからますます大阪マラソンが発展し、「和の精神」を国の内外に伝えてもらいたい。 OCOAは安全確保に今後も全力で協力致します。さらに無事故が続く様に貢献したいと願っています。 「大阪マラソンはほんまにええもんや!」 「あんじょう頼んまっせ!」 追記 1 第1回から5年間マラソン担当委員として大阪府医師会とOCOAの橋渡しに尽力して頂いた森泰壽先生に深謝致します。今年度から荻野晃先生が担当です。末永くお願い致します。両先生はマラソンランナーです。 2、山本哲(前OCOA会長)がチャレンジランに2年連続参加され周囲を驚ろかせた。マラソンは熱き血潮に火を燈すようである。読者諸氏もチャレンジされては如何でしょうか? |