院長コラム
正しい情報
日本の国を隅々まで十分に知っているかと問われれば答えは明らかに「No」である。 足を踏み入れた場所に限定しても答えは同じである。国内旅行をしたと言ってもたかが知れている。知らないことだらけなのだ。これから100歳まで生きたとしても、私はほんのわずかな場所にしか行けないし、多くの人と一度も会わずに消えていくのだ。地球規模になれば尚更である。 歴史についても同様で真実は全くつかめない。都合の悪い話は隠され、すべての情報を確保できない。厳密にいうと正しい歴史は存在しないと考えた方が当たっている。しかし人は少し他人より知識があると何かすべてが分かったような錯覚に陥ってしまう。 傲慢になる。乏しい情報での判断が如何に危険かと言うことをいつも心しなければならない。今年スリランカの歴史を調べる機会があり以下のような友好の関係に初めて気づいた。 「『1951年、 サンフランシスコ講和会議において、セイロン代表として会議に出席していたジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ蔵相(後、スリランカ第2代大統領)は、「憎悪は憎悪によって止むことはなく、慈愛によって止む」という仏陀の言葉Hatred ceases not by hatred but by loveを引用し、「日本の掲げた理想注1に、独立を望むアジアの人々が共感を覚えたことを忘れないで欲しい」と述べ対日賠償請求を放棄する演説を行った。我々はこのことを忘れてはならない。(注1大東亜会議 昭和18年11月) 逝去時、「右目はスリランカ人に、左目は日本人に」との献眼遺言により、片目は日本に贈られている。』 一方、慰安婦問題について間違った偏った情報で作成されたクマラスワミ報告は、スリランカ出身のラディカ・クマラスワミ(Radhika Coomaraswamy, 1953年9月17日 - )がまとめたものである。世界は色々、人も色々である。 正しい判断のために日本からの正確な情報発信が求められている。 |