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院長コラム
還暦万歳
私は辰年生まれ、今年は年男で、６０歳還暦に当たる。子供のころ、還暦といえばお年寄りのイメージであるが、いざ自分がこの年になるとまだまだ「おいぼれ」とは思われたくない。「赤いちゃんちゃんこ」など御免こうむりたい。 還暦に赤いちゃんちゃんこを着たりするのは、｢赤ちゃんに還る｣「赤は魔よけの色」であり、生まれ変わり今後も元気にという願いを込めたものだそうだ。代わりに、何か赤に近いものを自分で求め、お祝いにしようと思う。 つい最近まで人生５０年と言われた時代もあったのだから、６０年間も何とか病気もせず、ここまで無事に過ごせた事に感謝したい。 日頃私は、人間の消費期限は６０年、賞味期限ならば５０年だと公言している。生まれ変わったこれからの人生は、毎年毎年長生きすれば得をするプラス思考で臨みたい。６０年前の白黒写真には、物も乏しく豊とは言えない姿が残る。しかし、今振り返って、「貧しいという悲哀」は私の記憶にはない。子供だったためか？社会全体もそれほど閉塞感に包まれてはいなかったように思う。日本自体が、戦後生まれ変わった、伸び盛りの子供の様な国であったためか？ ６０年前、私の誕生の時に還暦であった人々は幾多の戦禍を潜り苦難をなめた後、平和で豊かな国に向かうよう我々にこの国を託した。 翻って、今年生まれた子供たちに、私たちはどのようなメッセージを伝えるべきだろうか？若い人々が60年後「この国に生まれて良かった」と思えるような社会を残せるように還暦男は余得の人生を、公的な仕事で少しでもお役に立たせたいと思う。還暦万歳である。 |
