院長コラム
新年雑感
良かれと思って行ったことが予想外な結果をもたらすことが多い。人間万事塞翁が馬の如くハッピーエンドになれば文句はないのだが‐‐‐。 新しい研修医制度は旧態の医局制度を弱体化した。一方医師の自由度が増し、地域,診療科の偏在をもたらした。予想外だろう。 財政再建のため医療福祉の切捨て。医療が荒廃し病人が増えかえって財政の負担になることだってありうることだ。 ゆとり教育が低学力をもたらしたと教育論議が騒がしい。 米百表の精神を持ち出した政治家が居られた。目先の空腹を満たすより将来を考えて行動することの大切さを教えたとのことだが、教育と同時に健康にも俵を回してもらいたいものだ。もうお忘れだろうか。 バブルの時代、額に汗することもなく、土地を転がすだけで巨万の富を得、土地、株、ゴルフ会員権などの高騰、東京の地価でアメリカがそっくり買えるなどと言う狂乱は視点を引いて高所から眺めれば誰にだって間違っているとわかる。 サブプライムローンの破綻で世界は大不況、バブルの繰り返しである。あまりにも視野が狭すぎたのだ。時には視点をぐっと引いて、地域、日本を超え地球規模で、あるいは宇宙規模で思考する。10年20年の時系列ではなく、長い歴史を踏まえて思いを馳せることも必要であろう。 遺伝子操作、遺伝子治療も千年後の評価はいかがだろう。人は神を超えられるだろうか?昔、教科書にあった世界の人口は30億人、今では60億を超えるなどといわれている。人間の増殖は異常じゃないか。地球の癌細胞だと周りの生物は非難しているだろう。日本の人口が減少するとのこと、地球規模では喜ばしいことかもしれない。地球温暖化、環境破壊もまだまだ他人事みたいでエネルギーを浪費する贅沢から抜け出せない。食いすぎでメタボになることだけはどうにか逃れているが‐‐‐‐。 だがこれでよいのだろうか。心配が尽きない。 世俗に穢れた身でも、病を癒す、苦しむ人を救いたいと思う気持ちは宇宙のはてから眺めても不朽の光を放ち続けているであろう。この光を絶やさず不況の今年1年、頑張って行きたいと思う。 |